腸脛靱帯炎は、走り始めたランナーさんに多く見られる膝のトラブルの一つです。着地の瞬間に膝の外側に痛みを感じ、走り続けることが困難になることがあります。
私も本格的に山を走り始めてから、腸脛靱帯に悩まされた一人です。走り始めは何ともないのですが、毎回15kmくらいから痛みだし、徐々に着地するのが辛くなり、最後の方は痛みとの我慢大会になってたのをよく覚えています。
原因は、太ももの外側にある腸脛靭帯が、大腿骨の外側上顆という骨の出っ張り部分と擦れることで炎症を起こすためです。また痛む箇所が2カ所あり、膝の外側と大転子部です。どちらもランニングのような繰り返す動作によって引き起こされます。簡単にいうと、膝の曲げ伸ばしで擦れて痛みが出るのです。
走りたいのに、膝が痛くて走れない。そんなジレンマとの戦いでした。ランニングを始めた時ってものすごく楽しいのですよ。気持ちいいし、走れる距離が伸びる喜びもありもっともっと距離を伸ばしたい気持ちがあります。ただ膝の痛みだけがネックでした。どうしたらこの痛みは克服できるのか?これは一生こうなのか?そんな不安な時期を過ごしました。

先輩方に聞いてみると、「徐々に筋肉が付いてきたら治るよ」と言われました。だけど、徐々にっていつだ?これはみんな通る道なのか?そういうものなのか?と思いながらも、毎回15km辺りでやってくる鈍い痛みに耐えるのはとても嫌でした。
腸脛靱帯炎の厄介なところは、何となくでも走れちゃうところです。本当に限界まで来て、激痛で足を着くのも無理になると諦めはつくのですが、困ったことに15kmは走れるし、痛みが出ても徐々に痛くなってくるので頑張れば何とか走りきれるんですよね。しかも痛みで走れなくなっても数日安静にすると痛いながらも走れちゃうのです。なので治りが悪い。これが腸脛靱帯炎の怖いところです。
そんな痛みと付き合いながら走る日々を送るうちに、気づけば半年が経っていました。自分の足をみると確かに筋肉は付きました。トレイルランナーっぽい脚になってきました。だけど、痛い。走ると痛いのです。救いは、痛み出すポイントが15kmから少し伸びたことですかね。走る前にストレッチをして、フォームを見直したりしましたがやはり距離を踏むとダメでした。
不安がありながらも100マイルレース(160km)に出場したこともあるのですよ。案の定80kmで膝が崩壊。残りの80kmはしんどさより痛みとの戦いでした。あと何キロでゴール。キロ7分なのであと何時間でゴールできる。そんなレースでした。その時のブログはこちら。
まだまだ腸脛靱帯炎に悩まされる日々が続きます。そんな中、お尻を丹念にストレッチすると痛みがない時があったのですよ。偶然か?確かに腸脛靱帯炎は、大腿筋膜張筋という筋肉につながりお尻まで伸びているのでお尻のストレッチは関係ありそうでした。そういえば、お尻が張っているのは腰が硬いからか!腰から内転筋も硬い。そう、腸脛靱帯炎だけでなくその周りも硬くなっていて、柔軟性にかけていました。
それからというもの、『もしかすると硬さが原因かも』と思い、毎日ストレッチやセルフ整体などいろいろな動作を取り入れ腰を動かし、股関節を動かしたりした結果、腸脛靱帯炎から開放されていきました。もちろん、衝撃に耐えられる筋力も着いたということもあります。ですが、腸脛靱帯炎ばかりに目をやるのではなく、その周りの筋肉や関節の動きなども注意してあげたことも大きく痛み解消に影響したと思います。
もし、今まさに膝の外側の痛みに悩まされている方がいたら、焦らず、無理をせず、自分の体と対話してみてください。足裏の筋肉の硬さ、内側の硬さ、腰の硬さ、背中の硬さなど。
きっと、痛みを乗り越えて「走る喜び」を心から楽しめる日がやってきますよ。

けんこう堂では、腸脛靱帯炎でお困りの方に向けて、お尻や太もも外側の筋肉の硬さを緩める施術や、股関節・腰回りの可動域を広げるストレッチ方法など、一人ひとりの体の状態に合わせてサポートしています。一緒に、痛みなく走れる身体を目指していきましょう!
ランニング障害に悩んでいる方は、お気軽にLINE、予約フォーム、お問い合わせからご相談ください!